【多肉】本格的農業用の荒れたビニールハウスを蘇らせる ~その1【現地調査編】~

多肉植物

つい先日、自宅に設置している多肉専用3坪のビニールハウスを条件のいい場所へ移設したばかりでした。

我々夫婦が多肉に夢中になり、多肉を集めビニールハウスを購入したり熱心に作業をしているのを見ていたのか聞いたのか…とある筋から「使っていないビニールハウスがあるから使っていいよ」とのお声がかかりました。

とてもありがたい申し出なのですが、そうですかと簡単には行きません。

大体こういった話はビニールが剥がれパイプむき出しで放置されていた物だったり、解体済みの物だったり。使えるようにするまでにかかる費用が大きすぎて現実的ではない場合が多い。

更に場所どこなのか。立地条件はとか色々と検討が必要です。

そもそも、趣味でやっている事なので自宅から離れては不便ではないのか。

とりあえず、大まかな状況を聞き見て見る事にしました。

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本格的農業用ビニールハウス

見て来ました。画像をどうぞ。

それは、想像を遥かに超える超本格的なビニールハウス。

大体の様子は伺ってから行きました。しかし圧倒的に予想外です。

大きさを確認…。

実測の結果

4間x9間。ビニールハウスの場合、単位を間(けん)で表現する事が多いです。1間は約1.82m。

メートルで言うと。

4間(7.3m)x9間(16.4m)です。でかい…。

面積は約120㎡、36坪です。畳で言うと約72畳。

私の自宅に立てたビニールハウスが3坪タイプなので実に12倍の広さ。

この段階で頭の整理が着かず、良い事や不安な事が巡り巡ってます。

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ハウス内部の状況を確認

内部を見て見ましょう。

まぁまぁ荒れています。これも伺っていました。しかし深刻な程ではなさそう?

これまで管理していた方はまったく使い道が無く、放置するとハウス内は草むらになるので、使ってくれるだけでもありがたいと言っています。

そりゃそうですよね。成り行きで管理する事になった場合、ハウスを使うものに興味が無ければ草刈りだけでもこれは苦行。

昨年の秋に一度草刈りをしたのでこんなもんで済んでいるらしく、何もしなければ森になると。

もう数年間はこの状態なんだとか。

その気になればなんとかなりそうな範囲だと思うのは農業未経験のディスクワーカーなのかもしれません。後々思い知ります。

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設備の確認

一回りして特に目を引いたのが設備の充実ぶり。

スライド式の出入り口

出入りに重要な扉はとても丈夫な作りのスライド式で大開口。

使っていない期間のキシミはありましたが、全然動きます。整備して油をさせばスラスラ動きそうです。

自宅の3坪ビニールハウスは体を傾けて更に頭を下げないと入れない小さな出入口なので感動です。

トラクターだって入れちゃう。本気農業用なのでそりゃそうだけれども、トラクター持ってないけれども。

両サイドの巻き上げ機

日差しが出るとハウスの気温は急上昇します。どんなビニールハウスでも換気対策は必要。

このビニールハウスには両サイドに巻き上げ機が付いていました。

取っ手をくるくる回すとガバーーーっと開くアレです。

凄い…。農業をやっている方になら珍しくないでしょうが、小型の3坪ビニールハウスで満足していた身分にとっては何もかもが新鮮でテンションアップ。

巻き上げ機も生きています。これも油をさせばまだまだ行けそう。

上部の自然換気開口

換気の機能は更に充実。ビニールハウスの難点である尖った上側に熱気が溜まる。

これは小さなビニールハウスを使っても特に感じていました。しかもその温度はとんでもなく高い。実際にそこの温度を計ったことはありませんが、体感でサウナ。50℃~70℃とかの世界だと思います。

その熱気を逃す、ピンポイント換気。もちろん開閉式。

これが有るのと無いのではハウス内の安定感が全然変わると思います。

丈夫なフレーム

過去を知っている方々いわく、記憶を追える範囲で20年くらい前から建っているそうです。

その間、大雪や台風でもびくともせず健在なのは丈夫なフレームのおかげでは無いでしょうか。

この大きさでも細いパイプを組み合わせただけの物もありますが、こちらのハウスはとても太くて丈夫なフレームが組まれていました。

サイズで言うと単管φ48.6mmです。これが等間隔にあり建物を支えています。

その他のフレームにも傷みはほぼなく、骨組みはとても贅沢な構成。

おまけに補強まで。

お気づきでしょうか。メインフレームの他に、内側にもう一つの簡易的なハウスが入る骨組みがあります。内側のハウス骨組みも35坪くらいあり、こちらは骨組みだけ。ハウスinハウスができる状態なのです。

冬季の対策に使えそう。

水道

なんと、ハウスの中に水道が引かれています。

ひねったら水が出ました(笑)。常識の範囲で好きに使っていいとおっしゃってくれています。

これはありがたいですよね。自宅敷地ではないのでもしここで多肉を育てる事になれば、水を運ばなければなりません。

水場があるなんて…。

電気

驚きっぱなしの設備紹介で電気までありました。

試しに挿してみましたが、普通に使える電源です。

これまた常識の範囲で使っていいと。しかし電気はちょっと気が引けます。スマホの充電とか夜間照明とかその程度でしょうか。

言葉に甘えて冬場に電気ストーブを付け始めるときっと非常識。

ビニール(フィルム)の状況

さて、肝心なビニール(フィルム)の状況を確認してみます。

ビニールハウスなので、主役になる部分ですよね。

過去を知る方々曰く、知る範囲20年で張替はしていない。との事。

20年も張り替えなければ当然汚れてはいます。所々に破けている箇所を見つけましたが比較的原型を保っています。

全然いけそう。

張り替えるとなれば○○十万円はかかるでしょうから、とりあえずこのままですかね。

結局、半日くらいここにいましたが、日が出れば思いっきり熱い。日焼けもしました。日当たりもとても良好な場所に建っています。

直ぐに張替は無理でも、洗浄して汚れを落とせば20年経っていてもいけそうですよ?

元々貼られているビニール(フィルム)がいい物なんでしょうね。

不安

不安も沢山あります。身の丈に合わないのではないか。

サラリーマンとして仕事をしながらにしては趣味を超えている。

小さなハウスでも何かと物入りで、それがこの大きさになれば維持だけでも必要な物が増えて出費がかさむでしょう。

しかし、今は希望でいっぱいです。

諦めていては何も始まらない、ダメかもしれないけどやってみよう。いやダメではないきっとうまく行くと信じてやってみよう。

車で10分くらいの場所にあり、通うのはそれほど苦ではありません。

あと、趣味に没頭するあまり、子供達を顧みない結果にならない事。あくまでも家族が優先。

妻は私と同じような趣味です。ですが子供たちは全く無関心なので。

まとめ

慎重にかつ大胆に考えた結果、お借りする事にしました。

これだけ設備が揃っているのをタダでしかも水も電気も少しなら使っていいとか。断る理由がありません。

このビニールハウスを建てた方は農業目的ではなく、花の栽培が趣味だったそうです。

花の栽培目的で…。この規模?ってスケールが違いました。

すでに数年前に老衰でお亡くなりになり、葬儀には私も参列していた方です。細かな事情は割愛しますが、遠いようで近い方の所有物だったハウス。

現在の管理者の好意でこのようなありがたいお話を頂く事になりました。

なんか感じたのは、行動をし続ける意味。ブログの運営でも同じことが言えます。

やらなければなにもない。しかし何かをやり続けることは、なにかにつながる可能性を増やし続ける事ではないでしょうか。

今で言うと、多肉の育成環境を改善しようと行動し続けた結果、このような有難い話が舞い込みました。

やっていなければ声もかからなかったはずです。私も、つながった誰かや何かにいい影響を与えれるような立場でありたいと思いました。

ともあれ、とても忙しい毎日を過ごしております。これもポジティブな事で忙しいけれども楽しいです。

このハウスをこれから時間を見つけ地道に改修していき、いつかは多肉でいっぱいに。そんな目標ができました。

今後の様子はちょくちょくご報告できればと思います。

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