2020年春先。娘の進学に伴い自転車の使用頻度が増して参りました。
中学生へと成長した長女は毎日通学で自転車を使う事となります。これまではホームセンターで売られているサイクルハウス(2万円くらいのやつ)で十分でしたが、これも古くなりそれなら新築してしまおうか。と自転車3台分を想定してDIYを決意。
設計図
まず、これを見てください。
手書きの設計図です(笑)。消し込まれているのは、ボールペンを持ちこれを握りしめホームセンターへ行って消し込みながら購入した痕跡です。
自宅敷地内の建設予定地の大きさ(面積)を確認し入念に計画を立てます。
事前に資材を購入予定の大型ホームセンターへ行き、どのような資材がどのくらいの長さで買えるのかとか、ジョイント部はどういう物が買えるのかとかいろいろ下調べしています。今回必要な資材は全てこの最寄りの大型ホームセンターで調達しました。
簡易基礎の施工
建設に先立ち、基礎を作ります。
建造物の要。基礎が弱いと上屋がどんなに立派でも傾きや最悪倒壊まであり得ますので丈夫な物を作れるに越したことはありませんが、所詮は自転車小屋。簡易的な物で済ませます。
完成までの作業でこの基礎作り(穴掘り)が一番ハードでした…。
家を購入時、地盤が弱いため地盤改良をした土地にベタ基礎で建てています。この地盤改良が固いのなんの…。スコップなんかでは全然掘れません…。小屋をあさりつるはしなんかまで登場してなんとか予定の深さまで掘ります。言っても深さ20cm程度ですが。そこにコンクリートブロックを埋めて基礎としていきます。
ブロックを設置し、桟木を渡して高さのレベルを揃えて設置。3つある穴の真ん中には単管の柱が立ちます。両脇の2つへD10の鉄筋棒長さ1mを打ち込みます。調整が終わり最後にこの穴は全てモルタルを充填して固める予定。
もっと径の太い丈夫な物を打ち込むと杭の代わりとなり強度を上げる事が出来ると思います。
コンクリートブロックと鉄筋棒はモルタルで固定されるので、強度を決めるのは杭の太さと深さ。
ロープ止めなんかが丈夫で良さそうです。頭の丸い部分がコンクリートブロックの空洞に納まり且つ、ハンマーで打ち込みの際支障がなければ良いのではないでしょうか。
資材の調達
基礎の準備が終わったので、仕事の休日を利用して資材の調達と建て方をして行きます。予定日数は1日!娘が通学に使う新車の自転車も買ってしまったし早く建てないといけません。
という訳で、休日にホームセンター開店と資材の調達に手書きの設計図を握りしめ行きました。
ホームセンターの軽トラックをレンタルして運んだり返したりで2時間くらい消費。夕暮れまでに建てれるか?
建て方(精度の出し方)
すいません、必死で建てていて過程の画像がありません。かみさんに柱を支えてもらったり、長物の端部を押さえてもらったり、釘やビスを手渡ししてもらったりと手伝ってもらいながら枠組みの完成。
こういった四角い建物を作る場合、対角寸法を測りながらやると素人でも比較的精度よく進めれます。90度が4角の四角形(正方形・長方形)は対角寸法が同じになりますよね。その時測る対角の寸法が同じようにすると正確に90度が出ているという事になるんです。
基礎を作る際も図の様な対角寸法を確保しています。
柱を建てて横材を繋いだら箱状になります。その時も対角寸法を目安にしていくと柱をまっすぐに建てれます。
勾配側は4隅が90度ではありません。このような場合は下の基礎側は同じなのでそこから同じ距離上側へ上がった位置へ印をつけ長方形を作れば対角で確認が出来ます。
対角寸法が全く同じになれば正確に90度が出た事に。しかしDIYなので2cmくらいは大目に見ても大丈夫。そうそうピッタリなんてならないので。
水平器も併用しました。水平器と対角寸法どちらが正確かというと・・・対角寸法です。
対角寸法は同じ長さになれば良いのでスケールの長さが足りない場合、ヒモでもいいです。
片側の長さをヒモで測り指で押さえ印とし、そのまま反対側の対角に当てがって差をみます。その差が小さければ小さいほど精度が高いという事に。
0地点を押さえてくれる助手がいれば非常にありがたいです。
単管の長さはなるべく購入時の長さで組み立てれるように調達しました。しかしどうしてもそのままでは都合が悪い部分が発生します。
切断回数が少なく済んだので切断が必要な部分はパイプカッターを使ってカットしています。
予算と時間に余裕がある方はここで塗装をすると見栄えが大分よくなると思います。
DIYに欠かせないインパクトドライバー。あると作業性が格段に上がりますよ。最後に概算の金額をお見せしますが、インパクトドライバーは既に持っているので今回の料金には含まれません。
愛用しているインパクトドライバーの使い心地はこちらにまとめてあります。合わせてご覧ください。
屋根貼り
単管パイプによる骨組みと屋根の下地となる垂木を取り付けたら屋根を貼ります。
単管パイプ(鉄)と垂木(木材)の固定は専用の垂木クランプを使いました。
垂木クランプとは単管に取りつけると木材を固定できるビス孔(釘孔)が残りそれを使用して木材を固定して行けるものです。
ポリカ波板ブロンズ色としています。
屋根として使う場合は2山以上重ねるのが基本です。壁の場合は1山でも大丈夫。
少ない枚数で広範囲を賄おうとして1山しか重ねない場合、雨漏りの原因になるのでしっかり重ねましょう。
ポリカ波板は山と谷が繰り返され波型となっている形状です。
固定の際は必ず山を固定するようにします。谷は水が流れる部分なので谷にビス止めをすると雨漏りの原因になります。今は雨漏りしなくても年月が経つとビスや釘が雨水に晒される機会が多く、錆びやすく腐食して雨漏りします。
かなづちで打ち込む「傘釘」とインパクトドライバーでねじ込むビスがあり、値段は傘釘の方が断然安いので私は傘釘を使用しました。
ビスの方が釘より強度が数倍高いと言われています。釘は抜けますがビスは抜けませんよね。インパクトドライバーで施工できるので作業性もいいです。予算がある場合はこちら。
ここら辺まで来ると建物の歪みは調整が終わっているので基礎のコンクリートブロックの穴にモルタルを充填して完全に固めています。
モルタルとはセメントと砂を混ぜたもの。コンクリートとは更にそれに砂利を混ぜたものです。
広範囲の場合コンクリートが有効です。しかし、この様な部分的な場合はモルタルの方が扱いやすいのです。
仕上がりはコンクリートもモルタルも岩の様にカチコチに。
モルタルの方が衝撃に脆い反面、隙間に詰め込むなどの作業に適します。
ホームセンターで「インスタントモルタル」という名で販売されている物は既にセメントと砂を混ぜてあり、あとは水を加えて練り上げれば直ぐに使えるのでおすすめ。
必要に応じて壁貼り
屋根があれば最低限の自転車小屋となりますが、必要に応じて横から入る雨対策で壁を貼ると更に自転車を保護できます。
今回の場合はこの程度で様子見。奥側にも貼る予定です。
基礎周りをモルタルで補強して、乾いたら埋め戻します。
とりあえず、これで日が暮れて作業終了。体力も限界でした(笑)
※乾燥し埋め戻しが完了した様子がこちらです。
費用
ここまでおおよそ5~6万円の予算です。(途中出てきたインパクトドライバーは含まず)
使用した資材は
・基礎用コンクリートブロック(D10鉄筋棒は別)。
大きければ大きいほど安定します。
・単管パイプ(φ48.6)。
・単管クランプ(直行と自在)。
直行クランプは90度で固定されているクランプ。
自在クランプは角度がフリーな状態のクランプ。
・屋根壁用の垂木。
・垂木固定用クランプ。スチール製の単管パイプに木材を固定する為のクランプ。
・ポリカ波板(固定用の釘、ビス)。
・インスタントモルタル。
同じ様な物を建設予定の方がいれば参考になると思います。
その後、床面の整地(コンクリートパネル敷き詰め)や奥側の壁を貼りました。
続編はこちらからご覧ください。
市販のサイクルハウスを選ぶなら
ホームセンターで買える簡易的な市販のサイクルハウス。私もこれまで使用していました。
値段で選ぶならビニールシートタイプの物が一番安いです。しかしこのビニール状のシートは耐久が低いのが欠点。運が悪ければ1年で穴が開いたり破れたりします。どんなにもっても3年。
簡易的に使用したいなら値段も安いのでこれで十分です。肌ざわりはガザガザしたような生地。
しかし、ある程度長いスパンでの使用を想定するなら高耐久シートの物をお勧めします。
価格はというとビニール状のものより+5000円くらいなもんです。それだけでシートの耐久は飛躍的にあがり3年くらいは余裕で持ちます。肌ざわりは布のような感触。
スチールパイプの骨組みはそうそう悪くなりませんが被せるシートで耐久が全然変わるので選ぶときはよく確認しましょう。生地が違います。
どちらも使用したことがありますが、高耐久シートの方が圧倒的にお勧めです。コストパフォーマンス的にも。
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