多肉を趣味で育てている青森県民です。
多肉の育成にあたり決して恵まれた土地ではない青森県で試行錯誤しながら楽しんでおります。
青森と言えば「りんご」・「雪」なんかを思い浮かべる方が多いのでは無いでしょうか。
青森県は日本海側と太平洋側の両方に面していて、住んでいる地域で全く気候が異なります。
日本海と太平洋を結ぶ津軽海峡は大間のマグロで有名な海峡。
津軽地方と呼ばれる日本海側は皆さまのイメージ通り、津軽弁にりんご、豪雪と青森らしい地域。
私が住むのは太平洋側の県南と呼ばれる地域。八戸市を中心に発展した地域でこの地域では雪がそれほど積もりません。八戸に至っては雪は無いってイメージがあるくらい少ないんです。県南にはりんご畑も無く、代わりにあるのはニンニク畑。
方言も南部弁と言われるもので、我々でも津軽弁は分からない部分が多数。なんとなく分かるので会話は出来ますけれども。時々「あん?」とか「んあ?」とかなります(笑)。
と言う具合に青森県でも住んでいる地域で全然気候が違うのですが共通している事、それが寒さ。
どこに行ったって寒い。県内で向こうは-5℃だってよ!こっちは‐10℃なのにってのはあっても、こうなればどっちでも寒いわけで。
多肉の話でした。
ちなみに、悪い事ばかりでもなく涼しい夏と快適な梅雨という気候の特徴がありますよ。あと台風が来ない。(備えが無いので来たら深刻な被害あり)
寒いのを抜けばいい事しかない気がしなくもないです。
冬越しのカギは温室
-10℃や‐20℃の世界なので、屋根完備でも屋外では生存不可能です。
屋根壁があり、外気から遮断できる温室or室内への取り込みが必要。
室内の管理は日光量との勝負。不足する日照は照明で代用です。
照明チャレンジについては過去の挑戦をご覧ください。
温室について、成功か失敗かの決め手になるのが
ずばりコレ。
敷地内で日照を十分に確保できるスペースがあれば安く設置できるビニールハウスがベストです。
私の場合、敷地内は周辺の建物の影となり日照を十分に確保できません。そこでベランダを密閉した温室を作りました。ベランダが2階なので周辺の建物で出来る影の影響を受けにくく、より長い時間日照を確保できる場所でした。
温室と言えば高額なガラス張りの物を想像しがちです。一般人の趣味なので屋根壁があり光を取り込める物であればなんでもいいです。DIYでも風除室でも、大切なのは上からと横からそれぞれどの位長く日光を取り込めるかです。
ベランダ温室の成果
さて、今年設置したベランダ温室。設置したとは大げさで、開放部分をポリカプラダンで塞いだだけの密閉空間。
そのベランダ内に更に簡易ビニールハウスを置いた2段構えの多肉管理。
1月の現在、真冬の真っ最中。朝から晴れで一日中晴天の日の様子をご覧ください。
外気温は‐3℃~‐5℃です。
温度計の位置はベランダ内と簡易ビニールハウス内それぞれ次の画像の位置に設置してあります。
ベランダ温室内の気温。午後2時の段階で28℃。
外気温など無関係と言わんがばかりに上昇する気温。温室の場合、決め手は日照の時間だという事が良く分かります。
更に、そのベランダ温室内に設置してある簡易ビニールハウス内の温度がコチラです。
43℃ですよ・・・。やばいです。外気温‐3℃~-5℃でベランダはもちろん暖房なし。
上がり過ぎているくらいやばいです。ここから日が暮れると氷点下まで下がるので寒暖差は40℃以上・・・。
天気予報で一日いっぱい晴れる日は簡易ビニールハウス側は解放しておいた方が良さそうですね。
この様に複数構造にする事により多肉が入っている簡易ビニールハウス内は最低気温まで下がる時間を限界まで抑える事ができる事になります。
外気温が‐20℃でも日光さえ出ていればその間、温室内は暖まります。
24時間‐10℃~‐20℃だといくら日光下に置いても凍ってダメになる事間違いなし。
しかし、24時間の内‐10℃~‐20℃になる時間をこの様な温室を使う事により数時間まで減らす事が出来る。しかもピーク時の温度は平均的に20℃を超えるとなれば生存率は飛躍的に上がるんです。
温室内の多肉達
実際にこのベランダ温室で大寒波&10日連続の真冬日を乗り越えた多肉達をご覧ください。
12月から1月と平均温度も異常に低い2021年の冬です。
桃太郎(エケベリア)、花芽まで出しちゃってます。
ブルーバード(エケベリア)
ラウリンゼ(エケベリア)
ヨーヨー(エケベリア)韓国苗
カナぺ(エケベリア)韓国苗
花うらら(エケベリア)
ローラ(エケベリア)花芽あり
乙女心(セダム)
最後に
良いトコばかりではなく、やはりだめになってしまう株も見受けられます。
‐10℃や‐20℃南国植物には生存不可能な環境です。ぎりぎり限界ラインの育成で多少の犠牲は覚悟しなければなりません。
外は一面の銀世界、それでも多肉の育成を楽しみたい!
諦めないで自身の環境でやれる事をやってみて下さい。
きっと突破口があるはずです。
この記事もそんな誰かの選択肢のひとつになれればと思います。
コメント