観葉植物の中でも育成が容易で人気が高いポトス。
人気が高いが故に品種改良も行われ20品種以上もが存在します。
代表的な物として葉に斑模様が入るゴールデンポトス、鮮やかな黄緑色の葉が特徴的なライムポトス、斑模様が細かくマーブルを連想させるポトスマーブルクィーンなどがあり、これらの品種はホームセンターの園芸コーナーでもよく見かける事が出来ます。
今回はその中でも、もっともポピュラーな品種ゴールデンポトスについて。
弱り切っていた当時の様子
まず手入れが行き届かずに放置されていた時の状況です。ひどいダメージですね…
長い間、室内の薄暗い所で放置され続けていた結果見るも無残な姿になっています。
植え替えは数年しておらず、明らかに日照不足で茎は細く弱々しく、水不足の為に葉はしおれ生気は全くありません。それでも生きようとするポトスは順番に葉を落とします。枯れるのは目前の状態でした。
こんな状況だと普通の植物ならおそらくとっくに枯れている事でしょうが、生命力の強いポトスはぎりぎり耐えています。
ポトスの特徴を知る
- サトイモ科のつる性植物
- 登板性があり近くに巻き付ける物があればどんどん上へ巻き付く。
- 巻き付くものが無ければ下に垂れる(吊下げて育てるイメージ)。
- 耐陰性があり室内でも育てやすい。
- 葉の後ろ側に気根を出す。増やす場合は目印となる。
- 水を好む。
蘇らせる為の実践
挿し芽の要領で復活させてみましょう。
まず、伸び伸びの茎を切り枯れた葉を取り除き整えます。枯れた葉が蘇る事は無いので綺麗に取り除きました。
続いて、葉の裏側に出る気根を目印に剪定し挿し芽とする準備をします。
この気根は垂れ下がり土に触れるとそこから根を張ることができ、ポトスの場合全ての葉の後ろ側に備わっているので、葉を茎付きで一枚づつに分ける様にすればOKです。
切り分けた様子がこちらです。
ちなみに元気よく成長しているポトスを選定して形を整えたい場合も同じ方法で挿し芽とすれば葉の数だけ増やすことが出来ます。
水挿しと土挿し
準備した物を水挿しとするか鉢に土を入れ土挿しとするか、どちらでも根が出ますがそれぞれメリットとデメリットがあるのでやりやすい方で決めましょう。
- 水差しのメリット ⇒ マグカップなどなんでも良くてお手軽。
- 水差しのデメリット ⇒ 水換えは小まめに行わないと切り口から腐る。最低でも3日置き、出来れば毎日新鮮な水へ交換したい。
- 土挿しのメリット ⇒ 挿してしまえば定期的な水やりのみ。
- 土挿しのデメリット ⇒ 鉢と新鮮な観葉植物用の培養土が必要。受け皿も。
今回は水差しでやってみました。
実践したのが2月上旬でこのダメージから復活を期待するのに時期は最悪です。挿し芽をする場合は春先4~5月の成長期に入る頃がお勧め。
左側の画像が水差し直後の様子。右側の画像が1日後の様子。
たった1日でも水を吸い上げてこんなに回復してくれました。
正直、ちょっと無理かもしれない…とすら思っていました。ポトスの生命力は本当にすごい。
ポトスの生命力と増やし方
もうここまででポトスの強靭な生命力がお分かり頂けたのでは無いでしょうか。
茶色く枯れていなければ何度でも蘇らせる事が可能です。
ポトスの増やし方はとても簡単でしかも葉1枚から挿し芽として増やすことも出来ます。
又、ひとつのツルが長く伸びすぎた場合、茎を切らずに鉢の中でぐるぐる巻きにすることでも土に接した気根を根付かせることが出来きます。
40日後の様子
しおれた状態から挿し芽を水挿しで育て、40日後の様子がこちらになります。
気根の部分が白い根へと変わり始め、枯れた葉を全部落とし茎だけになっていた物からも新芽が出始めました。
新芽はうまく管理が出来ている証拠ですので、これまでの管理方法が間違っていないと確認する事ができます。
挿し芽として用意した全ての物が枯れることなく成長を続けています。しかも室内とはいえ2月~3月の時期に。
このまま水挿しとして育成し続けてもいいですし、鉢に植え替えてもOKです。
鉢植えの際、水栽培で出来た根は土から上手に水を吸い上げる事が出来ません。土と根の間に隙間が出来ないように軽く土を押し固める様にし、鉢底から水が出るくらいたっぷりと水やりをしましょう。
伸びてきたらこれまでの作業を繰り返せばどんどん増やすことも可能。
また、登板性を利用し支柱などに巻き付けアレンジしてみても面白いです。
最後に
部屋に観葉植物を置くと不思議と癒されます。疲れている時にふと見つめることで気分転換にもなる事でしょう。
ポトスは水を好みます。頻繁に水やりをするうちに愛着が沸き、成長も早いため変化も楽しむことが出来ます。
植物のある生活は健康にも良い影響を与えてくれる事でしょう。
2020年8月、その後の成長を公開しましたので合わせてご覧ください。
コメント