独特な樹形で「多幸の木」として人気を誇る観葉植物ガジュマルの品種には普通のガジュマルの他にパンダガジュマルとセンカクガジュマルいう物があります。
日本では沖縄県で自生し、ホームセンターの園芸コーナーやネットショップでよく見かけるガジュマルは通称ニンジンガジュマルと呼ばれるものでもっとも一般的な物ですが、その中でも稀にセンカクガジュマルという品種が流通します。
そんなセンカクガジュマルの特徴や育て方をご紹介。(パンダガジュマルとセンカクガジュマルの違いには諸説あり限定するのは難しいです)
ガジュマルとセンカクガジュマルの違い
大きな違いは葉の形。
こちらの画像が一般的なガジュマルの葉の形状です。細長く先端が尖っていて肉薄なのが特徴。基本的に上へと伸びて行きます。
そしてこちらがセンカクガジュマルの葉の形状。先端の尖がりは無く丸みを帯び少し肉厚です。よくひし形の葉と例えられる事がある物。匍匐性(ほふくせい)があり横方向へ広がるイメージ。
ガジュマルの特徴
ガジュマルは種を蒔きある程度育てると根が肥大します。この時、地中では種のひとつひとつで独特な形になり、それを抜いて地表に植え付ける事により二つとない独特な樹形が出来るのです。それがとてもユニークでたくさん並ぶガジュマルからお気に入りの樹形を選ぶのも楽しみ方のひとつ。
挿し木から育てたガジュマルの場合はこの様な根には育ちません。
幅広く気温に対応ができ、耐陰性もあり丈夫で育てやすい植物です。
水やり
乾いたら鉢底から溢れるまでたっぷりと水を与え、受け皿には水を残さないようにしましょう。
霧吹きで葉水を与えると元気に育てる事ができます。
センカクガジュマルの現状
流通量が少なく稀にしかお目にかかれないセンカクガジュマルですが、そのほとんどがガジュマルの肥大した根(幹)に接ぎ木された物です。
実生で育てられたセンカクガジュマルもあるようですが、茎が細く葉が落ちやすい為育てるのが難しいようです。
そこで丈夫なガジュマルに接ぎ木をする事により育てやすいセンカクガジュマルとなる訳ですね。
結果、ガジュマルの特徴的な根(下部)と、可愛らしい葉が自慢のセンカクガジュマル(上部)の良いトコ取りなハイブリッド植物として取引されています。
たまに、接ぎ木位置より下の部分から新芽を出すことがありますがこれは通常のガジュマルの新芽です。センカクガジュマルとして育てたい場合は剪定してしまいましょう。
育て方
育て方はガジュマルと全く同じで構いません。
自然界で自生するガジュマルは直射日光下で育ちますが、観賞用として育てる場合は明るい日陰での管理が理想です。
基本的に日光を好む品種なので午前中だけ日光が当たる場所(東側の窓辺)あたりが望ましい。ですが、耐陰性もあるのであまり場所を選ばず育てる事が出来ます。日陰管理の期間が長い場合、様子を観察して置き場所を変更しましょう。
剪定のやり方
剪定方法もガジュマルと同様です。よく成長するガジュマルは枝を長く伸ばします。定期的な剪定で形を整えましょう。
剪定位置は特に気にする事は無く、整えたい形に合わせ伸びすぎた枝を切って構いません。
ゴムの木の仲間であるガジュマルは切り口からベトベトした樹液が出ますが、これは直接触れると体質により肌荒れの原因と場合がありますので注意が必要です。
増やし方
増やし方もガジュマルと同様で、挿し木にで増やすことが出来ます。センカクガジュマルの場合、適温環境が幅広く丈夫な為それほど気を使うことは無く一般的な挿し木の方法で大丈夫です。
切った枝を土に挿したら、根が張るまで乾燥させずに管理してください。
ハイブリッドなガジュマルで気根
さて、良いトコ取りでハイブリッドとなったセンカクガジュマルですが、気根も出ます。
気根が生え、それが定着する事により卓上サイズの小さな植物なのに驚くほど大木感が出てきます。愛好家の間ではガジュマル盆栽という方向で育てている方も存在するくらいです。
気根の生やし方に関しては諸説あり、良くは生えてくる物からまったく生えてこない物まで様々です。
最後に
ユニークな樹形でそれぞれの株に独自の個性があるガジュマル。人気があり流通量が多く入手が容易なので園芸初心者にもオススメですが、ガジュマルを知り尽くし存在感抜群のガジュマル盆栽へと仕上げる玄人さんもいらっしゃいます。
シーズンになると沢山のガジュマルが園芸コーナーに並びますが、その中にもしセンカクガジュマルを見つけたなら是非育ててみては如何でしょうか。
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