2021年春先から使っている「多肉専用大型ビニールハウス」。
春の間に整備が終わり本格的に多肉の育成で運用しています。
夏を前に、6月なのにギラギラ太陽で30℃を超える日がありました。温暖化はどこまで行くのでしょうか。でも冬はミッチリ寒いという青森です。
さて、ビニールハウスは日差しがある時に風が無いとぐんぐん温度が上昇します。そんな中で蒸れによりダメになってしまう苗が出てしまいました。
水はけの悪い「野菜・花用の土」で育成していたセダムが傷んでいます。
土による違いもあり、水はけのよい配合をしているセダムでは全然平気だったりもします。
置き場所は同じハウス内なので土による違いです。
育てて見てダメになってしまう株がある場合、なにがいけないのかしっかり見極めれるとベストな対策を立てれる様になります。
扇風機
夏の間、どうしても発生してしまうのが多肉の蒸れ。
屋外管理の場合、水やり(雨降り)→ギラギラ太陽→無風の条件が揃ってしまうと高確率で蒸れます。水やりに関しては日中を避け、夕方~夜にかけての水やりでいくらか対策が可能。
しかし、次の日に乾くわけでもないので結局、ギラギラ太陽→無風でジュレます。
太陽と風は運任せ。
ギラギラ太陽でも風があれば蒸れる可能性が大幅に軽減されると経験から思うのです。
外気温が35℃でも風がない日当たりの鉢内部は超高温に。風呂より熱い。高温の風呂に多肉を漬けたら枯れるのは想像できるのではないでしょうか。
しかし、風があれば熱はこもらず、吹き付ける風の温度35℃あたりをキープ出来るわけです。実際の鉢内は35℃以上なのですが、風とはこの様なイメージです。
という訳で、運任せの風だと不安なので扇風機を設置しました。
扇風機の大きさは用途に合わせて選べばいいです。管理している範囲の空気が動かせればOK。
奥まで届くように少し大きめの工場用を選びました。
気になる電気代ですが仮に1ヵ月間、昼も夜もつけっぱなしにしても1000円~2000円くらいの物です。
ダメになってしまう株の値段に比べたら安いもん。
遮光(寒冷紗15%遮光)
続いて、強すぎる日差し対策の遮光。
適度な遮光は多肉の育成難易度を大幅に改善できるのは実証済み。
でろんでろんに徒長した状態からでも葉焼けさせる事なく明るい場所へ置くことが出来ます。
それでいて十分な光量を確保でき、多肉育成に置いてはとてもいい環境を作る事が出来ました。
既に設置済みの3坪ハウスを見習い、こちらの大型ハウスでも寒冷紗を採用。こちらは15%遮光をチョイス。
遮光率は好みです。私は低遮光派。
3坪ハウスで使っている22%遮光の寒冷紗のリンクを貼っておきます。
寒冷紗設置前の様子がこちら
寒冷紗設置後の様子がこちら
画像のハウスで1.8mx50m分使用しました。
ほんのりできる影、これが効きます。
設置する環境はそれぞれ違うと思いますが、20%前後の遮光率が確保できる寒冷紗は特にオススメです。
付けるだけで本当に葉焼けやジュレる確率を大幅に下げれます。
防獣ネット
ビニールハウス内が高温になるので、換気の為サイド巻き上げ機は上げっぱなし。
何もしないと、遮るものが無いので様々な物が侵入可能です。
過去にはネコが侵入していました。
鳥が入って来て多肉を突くなんてこともあり得ます。更には見知らぬ人が入ってくるなんて事もあるかもしれません。
換気の為に常に開けっ放しにしたく、防獣・防鳥や防犯を兼ねてネットを取り付けました。
なにかあればよかったのでキュウリのネットも検討しましたが、用途と値段で結局「防獣ネット」が一番良かったです。
最寄りのホームセンターで1mx50m→1880円。
100均の結束バンドやパッカーを使い、固定できる箇所を固定していきます。
両面に貼って完了。これで安心して解放したままにしておけます。
最後に
多肉の育成は少し特別な環境が必要です。
乾燥地帯で育つ多肉を日本で育てる訳ですから、自生地の環境に近づける工夫をしなければうまく育ちません。
育成に必要な4大要素。太陽・水・風・土。これらを自身の環境で再現できる最適を目指す感じです。
目指す過程で様々な失敗を繰り返しました。その度に改善できる部分を直してきました。
ご紹介のハウスでは多肉の育成環境が整ったと思っています。
適度な遮光から注がれる十分な日差し。扇風機により送風される止まらない風。
この環境で水やりは怖くない。そして水はけの良い土。土の話はまた今度改めてご紹介します。
これでも中にはダメになってしまう株もあるので、100%育つわけではありません。しかし、整った環境下では明らかに育ち方が違います。
よく夏場は休眠期、断水しましょうって見ますがそんなことも無い。水やりも怖くないのです。断水しなければ眠る事もなく、成長してくれます。
コロナでおうち時間が長い今日、多肉も高騰していて安くないです。うまく育てれる様になると手間に見合う可愛さを見せてくれるはずです。
育成環境の整備、実はとても大切です。
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