多肉特有の増やし方、葉挿し。葉をもぎ取って置いておくだけで発根、発芽して増やす事が出来るというものです。
品種により葉挿しの成功率や成長速度はマチマチで難易度も異なります。葉挿しを行う季節でも差が出るので一概に「葉挿しはこう」とも言い切れません。
そんな葉挿しですが、今回は同環境下で2つのサンプルを用意し発根までの速度に差が出るのかという検証をしてみたのでご覧ください。
検証に使った葉挿し
初めに、今回の検証に使った多肉をご紹介。エケベリアのシャルルローズです。
この株から葉挿しを確保しました。
胴切りをしてから確保できた葉はおよそ50枚。
検証した期間は5月4日~5月18日までの2週間。
検証は解放と密閉(検証開始5月4日)
葉挿しの発根まで、その速さを早める事ができるか!?というのが今回の検証の目的です。
私の場合、これまで葉挿しは受け皿などに入れ解放状態で発根まで放置するのが一般的でした。
今回、検証に使うのは100均の密閉できるタッパー(3個で税込み110円)。密閉できる容器ならなんでも良いと思います。
葉挿しが重ならないのが理想なので縦長より平たい物が望ましいと思います。
いつものように受け皿にただ置いただけの物と、タッパーで密閉したものをそれぞれ用意して経過を観察してみます。葉挿しの枚数はそれぞれに24枚くらい入りました。
検証結果。2週間後(5月18日)
検証結果は意外と早く現れました。
5月の青森はまだ寒く、グングン育つわけではありません。紅葉もまだまだ楽しめています。
検証に使った葉挿しは開始時からフニャフニャで枯れかけている葉も含まれていました。検証の途中で脱落した葉がそれぞれに1枚ずつあります。検証結果は23枚ずつでのご報告。
それでは検証結果をご覧ください。
受け皿で解放状態の通常管理した葉挿し
はじめに受け皿に入れ、解放状態で管理した葉挿しから。
これまで私が行っていた管理方法。もっとも一般的な管理方法だと思います。5月の青森では2週間経ってもほぼ変化はありません。
画像上側の2枚だけがわずかに発根を確認できました。それ以外はまだですかね…。もう1週間必要と言った所でしょうか。
シャルルローズに限らず、この時期はこんなもんです。
検証結果→葉挿し総数23枚中、発根=2枚。5月の2週間で2/23の発根を確認。
タッパーを使い密閉管理した葉挿し
それでは、タッパーで密閉管理した葉挿しの様子をご覧ください。
出ています…。発根が多数確認できます。
見た目でも解放とは大分差があります。
画像上側の14枚に発根を確認。
根の量に差はあれど発根が目視で確認可能。
検証結果→葉挿し総数23枚中、発根=14枚。5月の2週間で14/23の発根を確認。
検証数は少ないですが、この位の差が出るという事は密閉容器作戦に効果有りと言えそうです。
検証環境
葉挿しに日光は必要ありません。むしろ日光が当たれば葉挿しの成功率が大幅に下がるので当ててはいけません。
日陰が前提。風も不要。
検証の環境は、室内の日陰。日光は全く当たらない場所です。
漬物みたいですね…。
まだ気温が上がらない時期は、密閉する事により発根までのスピードが上がるという感覚がありました。
ですので私は既にこのようなタッパーやラップを使い管理しています。
今回、具体的に同品種を同環境で比較検証してその差を見る事が出来たと思います。
注意点
この様に密閉する場合、日が当たれば逆効果になりかねません。解放管理なら多少の日差しは大丈夫でも、密閉時は容器内が高温になります。
せっかく葉挿しを早く育てようとしているのに、逆に傷めてしまいかねません。日差しは厳禁です。
また、夏場に葉挿しをする場合は外気温が十分暖かいので、密閉の効果は薄いかもしれません。
夏以外の葉挿しで有効と思われます。特に冬なんかだと、発根まで1ヵ月以上かかるなんてザラですし。
最後に
多肉自体、成長速度がゆっくり。さらに葉挿しからとなると1年越しなんて事も。
発根を早めて、次の工程へ移行するスパンを縮めれる事は限られた成長期を有効に使える事につながります。
根が出れば水を吸える。水を吸えるようになれば成長を期待できる状態になる訳です。
少しでも大きく育って丈夫な株になり、過酷な夏場や冬場を迎えれるのもポイント。結果的に一人前の株まで育つ確率を上げる事が出来るのではないでしょうか。
発根から次の工程へと移行し、一人前の株へと育てきるには更に別な管理が必要ですが、とりあえず発根までを早める方法をご紹介しました。
自身の環境に合わせてアレンジし、是非たくさん葉挿しを成功させてください。
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